ホテルの部屋に入った途端、飢えた野獣がいきなり襲ってきた。息つく暇すら与えてもらえない、激しいキスに酸欠寸前。
酔っぱらって寝てしまい、昨夜はお風呂どころかシャワーもしていないことに気付く。
「ちょっと、待ってて、シャワー浴びてくる」
「いいよ、そんなの」
お構いなしで私の服を脱がしに掛かる。
「良くないって」
ユキ君の目がキラリ。うひゃっ、これはヤバい予感。
「後で一緒に入ろう」
「それなら、今、一緒に入ろうよ、ね?」
「無理」
無理なのは私の方だって。
腕を突っ張り体を引き離そうとしたが、ビクともしない。
「ギャッ」
お尻の下に腕が回り、えっと思った次の瞬間、ユキ君の肩に担れ。
そのまま彼はベッドへ移動。私を下ろす彼は、どこか楽しそうで。
「もうっ、荷物じゃないんだから」
文句を言いながら、内心ドキドキしていた。
だって、いつも優しいユキ君が、飢えた野獣みたいに私を求めているんだもん。
「文句も後で聞く」
押しつけられた唇に翻弄され、抵抗する気力も奪われて、ユキ君に落ちていく。
波にのまれ、溺れそうな感じがして。
しがみつき、何度もユキ君の名前を口にする。
やっと解放され、お風呂へ向かい、湯船に浸かって見れば、体のあちらこちらにキスマークが。
首筋にも跡が残っていた。
「こんな目立つ所にもついてるよ。うーっ、あほユキめっ」