「朱里に頼めば?」
「ダメ、ダメ。朱里との関係はもうバレてる。お前がダメでもヒナちゃんだけ貸してくれたら」
「ふざけるな。その辺で誰かつかまえて頼めよ」
「親友を見捨てるのか。俺たちの間に愛はないのか」
目をうるうるさせて、子犬みたい。なんだか、気の毒に思えてきた。
「ウサギさん、私からもお願い」
「ああ、分かった、分かったよ。気は乗らないが、行くよ。行けばいいんだろ」
「ヒナちゃん、ありがとう。君は天使だーっ」
正人さんは、両手バンザイで喜んでいる。
天使だって。面白い人だな。
「じゃあ、さっそくクラブ買いに行こうよ。お礼に、一式、プレゼントするから」
「いや、いい。ヒナのものは、俺が揃える。それに、練習なら俺がつき合う」
「裕也、なんか機嫌悪くない?」
「別に、普通だ」
よく分からないが、どうやら私も参加することになったらしい。
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