ウサギとヒナ 第七話 アプローチ

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 ウサギさんが私の正面に立ち、ドライバーを握って再びスイングの説明をする。

「九時三時ぐらいで、軽く振って。手振りしない。アイアンの重さを利用して」

 何度か素振りをして、ボールを置いて構えた。
 よしっ、今度こそ。軽く振ってみた。
 カコーン、なんか当たった感触がさっきと違う。

「おっ、ちゃんと飛んだみたいだな」
「ヒナ、才能あるかも」
「えーっ、本当?」

 誉め言葉をもらい、ちょっとやる気でたかも。
 ハーフスイングでは、ちゃんと当たるようになってきた。しかも距離も伸びてきたんじゃない?
 ネットは遙か遠くだけど。

 ドゴンッ。
 びっくりして手が止まった。
 何、今の。ものすごい音がしたけど。

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