ウサギさんが私の正面に立ち、ドライバーを握って再びスイングの説明をする。
「九時三時ぐらいで、軽く振って。手振りしない。アイアンの重さを利用して」
何度か素振りをして、ボールを置いて構えた。
よしっ、今度こそ。軽く振ってみた。
カコーン、なんか当たった感触がさっきと違う。
「おっ、ちゃんと飛んだみたいだな」
「ヒナ、才能あるかも」
「えーっ、本当?」
誉め言葉をもらい、ちょっとやる気でたかも。
ハーフスイングでは、ちゃんと当たるようになってきた。しかも距離も伸びてきたんじゃない?
ネットは遙か遠くだけど。
ドゴンッ。
びっくりして手が止まった。
何、今の。ものすごい音がしたけど。