「お兄ちゃん、カウンターでいい?ジャンバー貸して、掛けとくから」
ユキ君がヴィンテージ加工の革ジャンを脱ぐと、黒いTシャツの袖から鍛えられた二の腕が見え、思わず見惚れてしまった。昨日はスーツを着ていたから分からなかった。大胸筋がTシャツを押し上げている。
ぬ・・・脱いでほしい。ごくり、唾を飲む。
「逞しい体してるのね。背も高いし、スポーツ選手なの?」
お母ちゃんが尋ねると、ユキ君は自分の腹部を摩りながら。
「学生の頃からずっとバスケをしているので」
「触ってもいいかしら?」
「どうぞ」
ユキ君の二の腕や胸板を母がペタペタと触っている。う・・・・羨ましい。
「すごく、硬いのね。パンパンって感じ。腹筋も割れているし」
くーっ、私も触らせて。もちろん、そんなこと口が裂けても言えないが。
「お母ちゃん、いい加減にしなよ。ユキ君が迷惑しているじゃない」
「あんた達、知り合いなの?」