恋の時間ですよ 第14章 坊ちゃん、心配です

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ユキ君が引越して三週間が過ぎた。ずっとLINEトークと電話だけで、こうしてデートをするのは、一ヶ月ぶり。
忙しいのは分かっていたけど、やっぱり会えないのは寂しい。でも会いに来てなんて言えないから。
これはもう、こっちから会いに行くしかないと思った私は、店をお兄ちゃんに頼んで、ユキ君の部屋を訪ねることにしたのだ。

けれど、来てみて思った。
ユキ君は、やっぱりお坊ちゃんだと。
これが社会に出て二年目の二十四歳が、一人暮らしする部屋か?

「あり得んわ」

「は?」

私のお給料では絶対、ここに住めない。家賃だけで給料全部飛んじゃうかも。
一体、いくら給料もらってんだ? ここに住んで、私一人くらい養ってやると言われた事を思い出した。
つまり、そんだけ収入があるって事だよね? 考えるとムカつくから、考えないでおこう。

駅前のスーパーで買い物してきた荷物をテーブルにドサッと置いて部屋を見回す。
大画面のテレビ、ゆったり寝そべることの出来る、大きなソファ。そしてそんな大きな家具や電化製品を置いてもかなり空間に余裕のある広いリビング。

「勿体ないほど、広すぎる。これ一人暮らしする部屋じゃないよ」

「そうか、普通だろ?」

ケロッとした顔で返され、私の口元がヒクヒク。
普通じゃございませんよ、お坊ちゃま。

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