恋の時間ですよ 第3章 気になる存在

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今日から私も会社員。張り切っていたせいか、早く会社に着いてしまった。隣の公園で、時間を潰すことにしよう。角のコンビニで温められたペットボトルのミルクティーを買い、ベンチに腰掛ける。青く澄んだ秋の空を見上げると。

「あ、お月さま」

白い月が半分だけ顔をのぞかせている。私はにんまりしながらミルクティーを口にした。子供の頃から青空に浮かぶ白い月を見つけると。

「今日はいいことあるかも」

なんて思ってしまうのだ。

「こんな所で何やってんだ」

ドキッ。いきなり後ろから声を掛けられ、口に含んだミルクティーをゴクッと飲み込んだ。

「ユキ君こそ、どうしてここに」

「舞がいたから」

えっ。私がいるからって、何で?私はぽかんと口を開け、ユキ君を見上げる。

「会社にも入らず、ベンチにぽつんと座っていたら気になるだろ」

そう言ってユキ君はベンチを跨ぎ、隣に腰を下ろす。大きな手に握られた缶コーヒーがすごく小さく見える。うーん、スーツだと逞しい腕が見えなくて残念。上着脱いでちょっと袖捲ってくれないかな。背筋とか、お尻とか太腿も筋肉ついているんだろうな。

「舞?」

「えっ」

ハッと我に返るとすぐ目の前にユキ君の顔が。私の顔をのぞき込んでいる。

びっくりしてお尻が浮いた。その拍子に後ろへ倒れそうになり。

「あ、あわわ」

背中に伸びた腕が私を支えていた。

「何やってんだよ、大丈夫か」

鍛えた体に抱きしめられて・・・・。

あ、だめだ、力が入らない。もう、ずーっと抱きしめていてほしい。はぁ、この体、一日中触っていたい。

「舞?」

「ん?」

「本当に大丈夫か?虚ろな目でぼーっとしてるぞ」

しまった。また意識が飛んでいたんだ。ううっ、この魅惑的な体のせいで。

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