恋の時間ですよ 第3章 気になる存在

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「だ、大丈夫。ちょっと考え事してたから。あ、ありがとう」

慌てて立ち上がりユキ君から離れた。心臓がドキドキ、バクバクしている。これはきっとユキ君の筋肉のせいだ。決してユキ君にときめいた訳じゃない。

「舞、顔真っ赤だぞ」

「あ、暑いからじゃない?今日は気温も高いんだって。ああっ、もうこんな時間」

ちょっと、わざとらしい言い方だったかな。

「私、先に行くね」

「確かに、入社早々遅刻はマズイよな」

ユキ君が腰を上げた。

「ええっ、一緒に行くつもり?」

彼の眉と瞼がピクッと反応する。

「何だよ、一緒に行くと都合が悪いのかよ」

「そ、そうじゃないけど」

ユキ君は意地悪そうに笑い。

「ほら遅刻するぞ」

私の肩を抱こうとした。

「ぎゃーっ、何すんのよ」

私は飛び上がり、ユキ君と距離をとる。

「介助だろ、介助」

「何言ってんのよ。もう離れて、あっち行って、お願い」

「舞、前見て歩けよ。転ぶぞ」

「転ばないからっ」

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