寝室の奥の扉の向こうは、三畳ほどのウォークインクローゼットだった。
ウサギさんが私のスーツケースをクローゼットの中へ入れる。
「持ってきた服、シワにならないうちに掛けた方がいいよ。そっちのチェストも空だから、好きに使って」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ、俺は昼飯の用意するから、ヒナは自分の荷物、片づけといて」
スーツ、コート、ジャケット、随分たくさん持っているんだな。
チェストの引き出しを開けてみれば、綺麗にたたまれた服が立てた状態で収納されている。
帽子やマフラー、サングラス、時計、鞄の置き方も、まるで小さなショップだ。「はぁ」感嘆の吐息が零れる。