片付けが終わり、キッチンへ行くと、お醤油とバターの香りがした。
ウサギさんが手にしているフライパンをのぞいてみる。
シメジとエリンギのパスタだ。醤油とバターもここから香っている。
隣の片手鍋はコンソメスープがコトコト音を立て、刻んだ野菜を躍らせている。
ダイニングテーブルではランチョンマットの上でサラダボウルとフォークとスプーンがスタンバイ。
ワインとオレンジジュースのボトルが早くこっちへおいでと誘っている。
ウサギさんの「食べようか」の一言に、待っていましたと言わんばかりに席へ着く。
「いただきます」
パスタをクルクル巻いていると、片付いた? と聞かれ、ちょっと苦笑い。
「はい。でも、ウサギショップの雰囲気を壊したかも」
「ウサギショップ?」
「まるでお店みたいに綺麗だったから。私が引っ越して来たら、バックヤードみたいになっちゃいますよ」
「はは、それはすごいな。でも大丈夫。俺、バックヤードの活用も上手いから」
だろうな、と思いつつ、パスタをパクリ。美味しい。
ウサギさんはワインを飲んでいる。広く開放的な部屋で、ランチ。
目の前にはウサギさんがいて、優雅でステキで贅沢な休日。
幸せだぁ。