恋の時間ですよ 第十五章 はじまり

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「浮気されたかも」

「嘘、本当に?」

「彼、一人暮らしなんだけど、仕事忙しくって、しばらく会って無かったの。久々に行ったら部屋の感じがおかしいのよ」

背後から聞こえてきた話を耳がキャッチ。
見ると向かいに座る三島さんたちも箸が止まっている。私たちの興味はすっかり後ろの話に向いていて。

「どうおかしいのよ」

「私のじゃない、化粧水とかコットンとか置いてあったの」

ええっ、それはヤバいよ。思わず、カレースプーンを握る手に力がこもる。

「私の勘違いだとか、化粧品は、自分のだとか言うのよ。信じられないでしょう」

彼氏……バレバレの嘘をつくなよ。

「絶対、嘘だね」

うん、うん。私も先輩もこくこく頷いた。

「使ってないゴムの箱が開いてたの」

ゴ、ゴム。生々しい話だ。ゴクリ。

「うわっ、マジで? で、どうすんの?」

「どうしよう。でもさ、本当に好きなんだよ。別れたくない」

「そろそろ仕事戻らないと。帰りにまた聞いてあげるから」

私と先輩たちは互いの顔を無言のまま見合わせた。暫し沈黙のあと、林さんがふーっと息を吐き、ボソッと小声で。

「浮気、間違いないわね……」

「化粧品ある段階で、女はその部屋に泊まっているの決定だよね。しかも何度も泊まってる臭いがしたわ」

に、臭い?

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