ウサギとヒナ 第五話 邪魔者

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「料理まで出来ちゃうなんて、すごいですね」
「一人暮らしが長いからな」

 料理だけじゃなく、部屋もキレイに片付いているし。仕事も家事も出来てカッコいいとか、完璧過ぎる。この人の欠点はどこ? 
 一緒に暮らしたら、ダメな所も見られてしまうんだよね。
 出来ない女だと見限られたら最後、追い出されるんじゃない? 
 新聞紙に包まる自分の姿が容易に想像出来てしまう……。
 そんなことになったら、どうしよう。ちょっと不安になってきた。

「ウサギさん」
「ん?」
「私たち、まだ付き合って日も浅いし、その……お互いのこと良く知らないですよね」

「それで?」と聞くウサギさんのトーンは低い。
 どうしよう。言いにくいな。
 気づくとフォークに絡めたパスタが、巻き過ぎてボールみたいになっている。
 巻き直そうとしたが、今度は、全然絡んでくれない。

「お願いがあります」
「内容によっては却下するぞ」

 まだ何もいってないのに。

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