「あの、ところで。今日はいったい何の用でしょうか」
「ヒナに会いたくて誘ったんだけど?」
私は目を丸くさせた。
「どうして私に?」
「理由、必要?」
「だって、私のこと恨んでいるんでしょう。もしかして、体だけじゃ許せなかったとか?」
「してないから」
「えっ」
耳を疑った。してない?
「いくらなんでも、酔って爆睡している子に手を出すなんて無理でしょ」
つまり、償いは終わってないと言いたいわけ? だから呼びだしたってこと? ゴクリ、唾を飲む。
「まさかこれからホテルに行くとか言うんじゃ」
「あのなぁ、純粋にヒナとデートしたくて誘ったの」
ニッコリ微笑んで「分かった?」なんて言われても。
「……でもぉ」
いまいち信じられないんですけど。