その後、運ばれてきたミックスも美味しくて、食べるのに夢中になってしまい。
「やっぱ、粉もんて、いいよな」
「ですね」
どーでもいい笑い話に花を咲かせ、気づいたらお会計。
お腹も満たされ、店を出て、上機嫌でお礼を言い、ハッとする。
しまった、目的をすっかり忘れてた。
どうしよう、もう一軒、連れて行ってとお願いするのは、さすがに厚かましいような……。
珈琲でもどうですか、私、奢りますから、なんて屋号長に言うほどの度胸はない。でも駅の改札口はすぐそこだ。考えあぐねていると。
「お腹、いっぱいになった?」
「はい」
「まだ時間ある? もう一軒」
「あります、行きます」
「食いつき、いいなぁ」
「だって、屋号長のお誘いですよ。断れませんよ」
「それも、覚えておくよ」
ウサギさんが意味深に微笑んでいることも知らず、私は小さくガッツポーズ。
よしっ。
☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡