恋の時間ですよ 第14章 坊ちゃん、心配です

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「とりあえず、チンすれば食べられるように、何か作って冷凍しておくね」

ユキ君の食生活が気になっていたから、色々作って冷凍するつもりで食材を買い込んできたんだよね。
ところが、彼ときたら。

「チン?」

何ですかそれ、とでも言いたげな表情をする。
私はオーブンレンジを指さした。

「レンジだよ。チンするだけだから簡単でしょう?」

ユキ君は、えーっと不満気に声を発した。
そして刀を一振りしたみたいにバッサリ。

「面倒」

あぎゃーっ。

「は?」

「どんぐらい温めるのか分かんねぇし、冷凍してくれても多分食べないから、いいよ」

な、なにーっ。温めるだけでしょう、どこか面倒なのよ。

「チンしたことないの?」

「ない」

ユキ君は、再び冷蔵庫を開け、二本目のビールを取り出した。

「包丁を持ったことは?」

「ない」

即答ですか。

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