「入るよーっ」
と声を掛けると。
「おー、いい湯加減だぞーっ」
と返事が。ぶはっ、新婚さんみたい。
カラッと戸を開けると檜の香りがした。ユキ君は頭にタオル乗せて気持ち良さそう、ゆったり湯船に浸かっている。男のくせに、妙に色っぽい。
「熱くない?」
「ああ、ちょうどいい」
掛け湯して、足を入れ、ゆっくりと肩まで浸かった。無色のさらっとしたお湯は肌がすべすべになる感じ。
「本当だ。良い気持ち」
「だな」
私もタオルを頭に乗っけて目を閉じ、温泉を満喫。
「ふー、最高」
「なんか、つまんねぇな」
「そう?」
「せめて、バスタオル巻いて入ってくれりゃあ、嬉しかったんだけど。水着じゃあな」
「バスタオルなんてやだよ。不衛生過ぎる」
「そこかよ」
スーッとユキ君が近づいてきて。私の腰に手を置いたかと思うと膝裏にも手を回した。
「えっ、ちょっと」
「せっかく一緒に入ったんだ。このくらいは、させろよ」
自分の膝の上に私を乗せた。
うぎゃっー、近すぎるって。私は水着だけど、ユキ君は裸。
「ちょっ、待って」
ジタバタお湯の中で暴れてると。
「それ止めて。反応すっから」
「うっ」
ピタッと動きを止めた。まさか抱っこされるとは思ってなかったから。お尻の下が気になって落ち着かない。密着する体、ああもう、どこに視線持って行けばいいか分かんないよ。
でも、だめ。魅惑の胸筋に抱かれているんだと思ったら、くらくら。
思わず手が、出た。
胸板撫で撫で。あひゃ、この弾力感が気持ちいい。手をずらし割れた腹筋も撫で撫で、ついでに太腿も撫で撫で。
うきゅーっ、萌えるーっ。ダメッ、顔がニヤけちゃう。
「もしかして、お前、フェチ?」
「あっ」