個室に案内され、部長と向き合うように座り、履歴書を差し出す。
「今日は、貴重なお時間を頂いてしまって」
「堅苦しい挨拶は、いい。見せてもらうよ」
部長は履歴書を広げながら、チラッと私を見て。
「緊張してる?」
「そらもうっ」
スカートこんな状態だもん。冷や汗タラタラ。
給料のことや福利厚生の説明を一通り説明受けた後。
「何か、質問ある?」
「いえ、特には」
「じゃあ週明けから出勤出来る?聞いていると思うけど出納に二人も欠員が出て困っているんだ」
「はい、大丈夫です」
「月曜9時までに11階の経理課へ来て。服装は自由だけど、お客さんも来るから草履とスウエットと短パンは、禁止」
「あの、私、雇ってもらえるんでしょうか?」
「猫の手も借りたい状態なんだ。それに」
「それに?」
「紹介者が真理さんだからね、よほどのことがない限り断れないだろ」
噓、こんな簡単に決まっていいの?真理さんて一体、何者なんだ。
うひゃーっ、どうしよう。私、私、就職しちゃったよーっ。
第2章へ続く