ピンポーン。
「ほら」
「空耳だろ」
「でも、でもっ」
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。連呼されているのに、知らん顔。
「私、出ますね」
「あ、ヒナっ」
テレビドアホンのボタンを押し「どなたですか」と尋ねると男性の声で「お届け物です」と返ってきた。
宅配業者らしからぬ装いの男性が映っている。隣には女性の姿も。
「追い払ってくる」
ジーパンのウエスト部分に白シャツを押し込みながらウサギさんが私を横切り、玄関先へ向かった。
「追い払う?」
ウサギさんが、扉を開けた途端。
パパーンッ、クラッカーが鳴り。
「サプライーズ」
「おめでとーっ」
金色のシャワーがウサギさんに降り注いだ。