ウサギとヒナ 第五話 邪魔者

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「いきなり来るなよ」

 頭に着いたテープを掴んで、男性に押し付けたウサギさんの口調は冷たい。
 招かざる客といった感じか。

「誕生日の祝いに来てやったのに、もっと喜べよ」
「悪いが、取り込み中なんだ。また今度にしてくれ」

 ウサギさんが扉を閉めようとする。

「今度? 誕生日は年に一度だぞ。入れないつもりか」

 男性が足を入れ、扉が閉まるのを防ぐ。

「お前、分かってて、来ただろう」
「何のことだ?」
「とぼけんな。邪魔する気か」
「まさか、いやだな、裕也君。純粋に誕生日を祝いたくて来たんですよ」

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