ウサギとヒナ 第四話 ウサギの罠

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 広いリビングに大きな窓から見える夜景。しかもベッドルームが別になっている。
 テレビで見たことがある、この部屋って、スイートルームじゃない?

「どうしちやったんですか? 前に連れてきてくれた部屋と全然違うんですけど」

 ウサギさんは苦笑い。

「それ、頼むから、もう忘れて」

 ウサギさんは私の後ろに立ち、両腕を回す。

「今回は特別」
「でも、広過ぎてもったいない気が」
「月曜の朝まで過ごすんだから、広い方がいいだろ」
「月曜?」

 思わず、声が裏返る。つまり三泊四日? 

「ヒナの部屋は狭いし、壁も薄いからな」

 ドキン。壁の厚さを気にする意味が分かってしまった。

「ここなら、ヒナも声を我慢しなくていいだろ。それに浴室も二人で入っても十分広いし」

 ひゃーっ、露骨過ぎて、なんて返せばいいか分からないよ。
 耳元でクスクス笑うウサギさんは大人の余裕といった感じ。でも私は、余裕なんて微塵もない。

「ひゃっ」

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