ウサギとヒナ 第二話 繋がる糸

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 部屋へ戻るといつ頼んだのか、ウサギさんがワインをグラスに注いでいた。

「飲む?」

 渋い味がする。苦手かも……。
 一口だけにしておこう。
 グラスをテーブルへ戻すと。

「美味しくなかった?」
「あ、いえ……。あまり飲まないから、よく分からな……」

 抱き寄せられ、唇が重なる。初めてのキスはワインの味。絡みつく舌とワインで酔いそうだ。

「俺もシャワー浴びて来る」

 ウサギさんが浴室へ向かうのを笑顔で見送った後、ベッドへダイブ。
 どうしよう、キスだけで、めっちゃ緊張した。これ以上はとてもじゃないけど出来る気がしない。
 むっくり起きて、ワインボトルに手を伸ばす。もっと飲めば落ち着くかもしれない。

 その後のことは全く覚えていない。
 目が覚めたら朝で、部屋にウサギさんの姿はなく。

「初めてのエッチだったのに、記憶の欠片もないなんて……」

 
☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

 

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