ウサギとヒナ 第二話 繋がる糸

小説
Pocket

 どうしよう、着いてきちゃったよ、ホテル。ラブホテルでもなく、ラグジュアリーホテルでもなく、ビジネスホテルだ。狭い部屋にはベッドと小さなテーブルと椅子が一つあるだけ。
 大人の償い方って、やっぱりアレのことだよね。

「シャワー、先使う?」
「は、はい」

 なんか緊張して、手足がぎこちない動きになっちゃう。まるでロボットだ。

 冷静でいられない。心臓バクバクしてるし、シャワーを握る手だって震えてるし。
 レバーを引くと。

「つ、冷たっ」

 慌ててお湯の調整。頭からシャワーを被り、私はギュっと目を閉じる。
 相手は、ずっと会いたいと思っていたウサギさんだよ。年上だし、きっと優しくリードしてくれるって。

「覚悟を決めなさい、雛」

 両頬をピシャリ、気合を入れた。

小説更新、諸々のお知らせはtwitterで

PVアクセスランキング にほんブログ村