どうしよう、着いてきちゃったよ、ホテル。ラブホテルでもなく、ラグジュアリーホテルでもなく、ビジネスホテルだ。狭い部屋にはベッドと小さなテーブルと椅子が一つあるだけ。
大人の償い方って、やっぱりアレのことだよね。
「シャワー、先使う?」
「は、はい」
なんか緊張して、手足がぎこちない動きになっちゃう。まるでロボットだ。
冷静でいられない。心臓バクバクしてるし、シャワーを握る手だって震えてるし。
レバーを引くと。
「つ、冷たっ」
慌ててお湯の調整。頭からシャワーを被り、私はギュっと目を閉じる。
相手は、ずっと会いたいと思っていたウサギさんだよ。年上だし、きっと優しくリードしてくれるって。
「覚悟を決めなさい、雛」
両頬をピシャリ、気合を入れた。