恋の時間ですよ 第15章 はじまり

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モニターに映っているのは、女の人が一人だけ。
私は、ユキ君を睨んだ。

「誰?」

「会社の事務員」

「へぇ。もしかして、酔って部屋に尋ねて来たって子?」

返事をしない、それって肯定ってことか。
私の口元がひくひく。心穏やかでいられない状況。
私は玄関先へ向かった。

「ちょっ、舞、おいっ」

慌てて追いかけてきたユキ君を無視、玄関ドアの施錠を外す。

「舞っ」

ユキ君の片腕が腰に回り、引っぱられた。ガッチリ捕まって、身動きが取れない。

「離してっ」

「何する気だよ」

「開けるの」

玄関先でもめていると、ドア越しに。

「由紀さん、飯島でーす。またきちゃいました。あ、でも、今夜は伊藤君と一緒です。伊藤君も一緒なら、いいですよね?」

「こんな時間に尋ねてくるって、どういうこと? しかも由紀さんって呼ばせて。どういう関係なの?」

「舞、誤解してる」

「誤解だって言うなら、証明してよ、ヨシノリさん」

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