一ヶ月後。
引っ越しを無事済ませ、その足で入籍。
手続き済ませ、役所の駐車場へ向かいながら、これからは、結城さんて呼ばれるんだな、なんて思ったら。
「いやーん、照れちゃう」
自分の体を抱きしめ、ゾクゾク、身もだえてしまう。
「変な奴」
ユキ君にぷっとふかれてしまった。
「だって、奥さんだよ。人妻なんだよ。艶っぽく響かない?」
「そうだな。じゃあ、早速帰ったら、人妻を誘惑してみるかな」
にんまりして言う。もう、エッチなんだから。
「ユキ君、昼間だよ。それにここ駐車場なんだから、人が聞いたら、どう思うか」
「だったら、今日はお触り、なしにするかな」
「えーっ、それはダメだよ。ありありじゃなきゃ」
「舞ちゃん、やっぱり俺の体が目的だったなんだな」
「そうだよ? ユキ君から筋肉取ったら、魅力半減だよ」
「ひどくねぇ?」
「冗談だって。拗ねないで」
「拗ねてねぇし」
むくれてスタスタ歩き出した。
「ユキ君、置いていかないで。待ってよー」
慌てて追いかければ、振り向いた彼が私を抱きしめる。
「帰ったら、お仕置きだな」
「お触りだけは、させてね」
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