恋の時間ですよ 第11章 嫉妬

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真夜中なのに予想していたより参拝客が多く、参道は列を連なり、ゆっくりしか進まない。
人に囲まれているせいか、寒さはあまり感じない。足元温かくしてきたせいもあるけどね。裏起毛のタイツにムートンのブーツ。
ユキ君が私の肩をしっかり抱いてくれているから人混みも安心して歩けるし。

「ユキ君はいつもお正月どうしているの?」

「元旦から二日にかけては本家に親戚集って、新年の挨拶。毎年、すげぇ賑やか。今年は俺も働いているから、お年玉やる側なんだよな」

もらう立場だったのに、なんてぼやくユキ君。ふいに何かを思いついたかのように。

「そうだ、舞も来るか?」

「どこに?」

「うちの親戚の集まり」

目が点になった。足も止まってしまった。ユキ君はそんな私を見て軽く笑って。

「冗談だよ」

なんだ、びっくりするじゃない。

「けど、来年は連れて行くから予定に入れといて」

意味深な微笑みにドキッ。それって、どういう意味?
親戚と新年の挨拶って・・・。

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