いったい、何なの?
確かにユキ君はイケメンだけど。それにしてもこんな騒がれるほどモテるなんて・・・・。
「ああっ、煩い。言うと舞に怒られる関係だよ」
投げやりな言い方。いや、それより怒られる関係って意味不明でしょう。
「それ、どういう意味ですか。やっぱり付き合っているってこと?」
ほら、言わんこっちゃない。
「あの」
否定しようと口を開いた私をユキ君が自分の方へと引き寄せた。私も周りもユキ君の行動にびっくり。
「ちょっと、ユキ君」
回された腕を外そうとしたが、鋼のようでびくともしない。しかもユキ君の胸板が背中に触れてぞわぞわする・・・。
耳に息を吹きかけられ「うひゃっ」変な声まで飛び出した。だめだ、力が入らない。完全にへにゃへにゃ状態で、まるでマタタビを与えられた猫。
「パンツ見せた関係って言ってほしい?」
ギクッ、小声で脅され体が硬直。
「見せたくて見せた訳じゃ」
「就職出来たのは、俺のお陰だろ」
「そ、それは」
あのまま帰っていれば、今でも店でお好み焼いていたはずだ。面接出来たのはユキ君のお陰・・・。
でもだからって、誤解されるようなことを言わなくても・・・・。
「ちょっと通してくれないか」
女性社員がパッとテーブルを離れ、道を開けた。甘いため息を漏らし、うっとりした表情で、声の主を見つめている。
「探したんだぞ」
真理さん?