「朱里……。なにけしかけてんだ」
「最近、BLにはまってて。裕也と正人なら絵になるなぁ、なんて」
「俺にそんな趣味はない。正人だってそうだ。見ろ、この鳥肌」
ウサギさんは自分の腕を差し出した。
「うわっ、すごい」
「俺、裕也が好きだったのか」
「洗脳されてんじゃねぇーよ。お前は生粋の女好きだ」
「俺は目覚めた」
正人さんが勢いよく立ちあがった。そして私の前に立ち、両手で手を握ると。
「ヒナちゃん、俺たち、ライバルだ。これからは遠慮なく裕也を落としにかかるよ」
まさかのライバル宣言? に私もウサギさんも呆然。
そして、我に返ったウサギさんは。
「お前ら、もう帰れーっ」
真っ赤になって叫んだあと、正人さんと朱里さんを追い出した。
「ったく、あほか、あいつらは」