「もし……誰かに聞かれたら、なんて答えたらいいんですか」
「おじさん、でいいよ」
「姪と叔父さん」
「いや、ただのおじさん。それ以上は説明しないこと」
分かった? と言われても、私は頷かず黙っていた。するとウサギさんは困ったように笑って。
「いいね」
念押すと、私の顎を指で持ち上げ、唇に軽くキスを落とす。
不意打ちのキス、しかもここは会社、扉の向こうでは仕事している社員がいる。
仕事中なのに。これって、いけないことだよね。
ほてる頬を掌で仰ぎつつ、恨めしい目でウサギさんを見た。
「ほんと、もう。……信じられない」
「そう? 俺は楽しいよ。ほら、仕事してこい。さぼってると思われるぞ」
ポンっと軽くお尻を叩かれた。
「うーっ、分かってますよ。おじさんっ」