自分の席へ戻ると、今度は両隣の席から視線が飛んできた。
麻美さんと奈津江さん、お昼を誘ってくれた先輩たちだ。
二人は同期で私より五歳年上、仕事が出来て、生産担当からも頼られている。
私も早く、頼られる存在になりたい。
「お昼、何を食べてきたの?」
「ラーメンです」
「ラーメン?」
声が裏返るほど、驚くこと?
「どこのラーメン?」
「会社近くの、北の星一地番って……」
椅子ごと先輩たちが寄ってきて、挟みうち状態になった。
二人とも、じーっと私の顔を見ている。
「あの……」
責められているような気がして、思わず胸に手を置いた。
何かやらかした? 焦りつつも、午前中の仕事を振り返る。
大変な仕事はしていない。ミスするようなこともなかったはず。
でも私が気づいていないだけなのかも。
「すみません、どこか間違えていました?」
恐る恐る聞くと「そうじゃなくて」と麻美さんが言った。
「私たちに報告することがあるんじゃない?」