ウサギとヒナ 第三話 ウサギのしっぽ

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 部屋が明るくなり、目を覚ました。腕の中にいるヒナは、まだぐっすりと眠っている。

 起こさないよう、そっと腕を引き抜き、ヒナの寝顔を見つめる。
 胸がキュンとなったことに驚いた。
 女の子を見て、キレイとか、可愛いとか思ったことはあるが、心が躍っているぞ、俺。

 白くて細い指に自分の指を絡め、頬にそっとキスをした。
 いつまでも見つめていたい。離れがたい。そんな気持ちをどうにか抑え、ベッドから抜け出た。

 ヒナを見ていると、自然と頬が緩む。彼女に惹かれているのは確かだ。
 もし、十年前にヒナと会っていたら、どうなっていただろう。さすがに中学生は相手にしないよな。

「運命の糸か」

 そうだな。
 十年前、約束したあの場所から始めるのも悪くないかもしれない。

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