部屋が明るくなり、目を覚ました。腕の中にいるヒナは、まだぐっすりと眠っている。
起こさないよう、そっと腕を引き抜き、ヒナの寝顔を見つめる。
胸がキュンとなったことに驚いた。
女の子を見て、キレイとか、可愛いとか思ったことはあるが、心が躍っているぞ、俺。
白くて細い指に自分の指を絡め、頬にそっとキスをした。
いつまでも見つめていたい。離れがたい。そんな気持ちをどうにか抑え、ベッドから抜け出た。
ヒナを見ていると、自然と頬が緩む。彼女に惹かれているのは確かだ。
もし、十年前にヒナと会っていたら、どうなっていただろう。さすがに中学生は相手にしないよな。
「運命の糸か」
そうだな。
十年前、約束したあの場所から始めるのも悪くないかもしれない。
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