ウサギとヒナ 第三話 ウサギのしっぽ

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 シャワーを浴びて出てみたら、ヒナはベッドで爆睡していた。酔っぱらって寝てしまったらしい。
 ベッドの脇に空のボトルが転がっている。飲めないワインを空にするほど、緊張していたのか。

「ったく、飲み過ぎるなと注意する必要があるな」

 ほんのりと桃のように染まった頬。思わず触れてみたくなり、指の背で撫でてみた。

「無防備な寝顔見せやがって。なあ、襲ってくださいって言っているようなもんだぞ」

 甘い香りが俺を誘う。
 抱きしめたい。

 自分の腕をヒナの体の下に入れ、抱き寄せる。ヒナは「うーん」と声を発したが、瞼は開かなかった。

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