シャワーを浴びて出てみたら、ヒナはベッドで爆睡していた。酔っぱらって寝てしまったらしい。
ベッドの脇に空のボトルが転がっている。飲めないワインを空にするほど、緊張していたのか。
「ったく、飲み過ぎるなと注意する必要があるな」
ほんのりと桃のように染まった頬。思わず触れてみたくなり、指の背で撫でてみた。
「無防備な寝顔見せやがって。なあ、襲ってくださいって言っているようなもんだぞ」
甘い香りが俺を誘う。
抱きしめたい。
自分の腕をヒナの体の下に入れ、抱き寄せる。ヒナは「うーん」と声を発したが、瞼は開かなかった。