「ちょっと意地悪したくなったんだよ。ヒナが「うん」って言わないから」
「彼女になったら、電話やLIMEしてくれますか?」
「しないと思う?」
遠距離なんて無理、自信ない。でも、ウサギさんを拒むのはもっと無理だ。
だって、こうしてウサギさんと一緒にいることがたまらなく嬉しいんだもん。
私は、自分の腕をウサギさんの首に回す。
「ヒナ、俺と付き合おう」
「うん」
ウサギさんの腕に力が入るのを体で感じ、私もギュっと彼を抱きしめる。
抱きしめられるとドキドキするのに、不思議なくらい心地良い。
「ウサギさん」
「ん?」
「そう呼んでも良いですか」
ウサギさんは、ちょっと渋い表情をして見せる。年下のくせに、生意気と思われた?
「裕也って呼んでくれないの?」
「いきなりですか? む、無理です」
「なんで、彼女だろ」
「そ、そのうち、慣れたら」
しゃーないな、と言ってウサギさんは私の耳たぶを甘噛みした。
「ひゃっ」