えっ、ウサギさん? この人が、ウサギさん? 私は何度も目を瞬かせてその人を見る。
すっかり大人の男性になっているけど、どことなく面影が残っているような……。
本人かどうか確かめたいな。
「悪い、朝礼の後、運営に呼び止められて。自己紹介は、終わった?」
「はい、伊藤さん、倉田さん、河合さんです」
「よろしくお願いします」
私はドキドキしながら軽く頭を下げた。
もしこの人が、目の前にいる人が私の知っているウサギさんだとしたら、どうしよう。やばい、めっちゃ、カッコいい。
「伊藤さん、倉田さん、河合……さんね。よろしくお願いします」
どうしよう、緊張して、手が震えてる。
「じゃあ早速、倉田さんと伊藤さんは、こっちの段ボールの商品、袋外しとオフシールをつけてください。広田君は届いた荷物取りに行ってくれ。佐伯さんは雑貨を頼む。河合さんは売り場の商品にオフシールがつけ忘れていなか確認してください。休憩は交代で。今日の目標額は……」
大人の男性って感じがする。
「宇佐見さん、カッコいいね」
倉田さんにこっそり耳打ちされ、頷いた。
「はい、ほんとに」
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