恋の時間ですよ 第14章 坊ちゃん、心配です

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たっぷりユキ君との時間を楽しんだ。はずなのに物足りない。もっと一緒にいたいと思ってしまう。
一緒にいればいるほど、バイバイする時間が迫ってくると切なくなる。
どうしたらいいんだろう。

朝食の後片付けをしていると背後からスーツを着たユキ君に抱きしめられた。

「えっ、もう出る? ごめん、すぐ私も」

「舞」

「ん?」

「これ」

目の前には彼の手が、つまんだ鍵が揺れている。
先に出るから、鍵掛けといてってことね。私はそれを両手で受け取った。

「玄関ドアのポストに入れとけばいい?」

「舞が持ってて」

「そんなことしたら、勝手に入っちゃうよ?」

「いいよ。つーか、それ逆に嬉しい」

「本当かな? 突然きたら、知らない女の人がいた、なんて落ちないよね?」

「あほか、絶対ねぇわ」

笑って、コツンと頭を小突かれた。

「気を付けて行けよ。会社着いたらLINEで知らせて」

「うん」

見送ろうと、玄関先までついていった。

「来週の日曜も泊まりに来てくれるか」

「うん」

私の返事に、ホッとしたのかユキ君の口から小さな息が漏れた。

「じゃあ、店が終わる頃、迎え行く」

「無理しなくても、電車で」

「いい、少しでも早く舞に会いたいから」

ユキ君に行ってらっしゃいのキスをする。彼はご機嫌な様子で出て行った。
なんか新婚さんみたいでにやけちゃう。

日曜日は彼氏の部屋で朝まで過ごす。

「うひゃっ通い妻ですか」

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