恋の時間ですよ 第12章 不安な気持ち

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拗ねて、こっちを向いてくれない。
そんな彼が可愛くて、愛しくて。
広くて逞しい背中に抱きついた。

「いつか、その時がきたら、続き聞かせて?」

「ああ」

温かくて、心地良くて。
ずっとこうしていたいなって思った。

「ユキ君」

「ん」

「なんでもない。呼んでみたくなったの」

「なんだ、それ」

「ねぇ」

「ん」

「もうちょっとだけ、こうしてていい?」

「いいよ」

私と同じように、ユキ君も不安なのかな。

ユキ君の腰に巻き付けた私の手にユキ君の手が重なる。

「舞、親父とお袋に会ってくれるか?」

私は黙って頷いた。
重ねた大きな手にほんの少し、力がこもる。

うーん、ここが彼の部屋じゃなかったら、裸にして触りまくりたい気分だ。

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