恋の時間ですよ 第12章 不安な気持ち

お気に入り
Pocket

「工場が軌道に乗ったら俺、お前に……」

その後続く言葉に期待してか、私の心臓はやばいくらいドキドキ。
ユキ君の顔をまじまじと見つめた。
らしくないくらい真顔、耳を真っ赤にさせて。
なんだかそれがすごく可愛くて、ふいに指先を伸ばし、耳たぶをつまんでしまった。

驚いたユキ君はそのまま後ろへ尻もち。左耳を手で覆って、口をパクパク。

「な、なにすんだよっ」

「ごめん、つい」

「くそっ、せっかく決めようとしてたのに」

前髪をクシャッと握って立ち上がり、背を向ける。
どんな顔をしているのか見えないけど、まだ耳は赤い。

「ごめん、邪魔して。続き言って?」

「もういい」

「怒ってる?」

「怒ってねぇよ」

「じゃあ、拗ねてる?」

「誰がっ」

小説更新、諸々のお知らせはtwitterで

PVアクセスランキング にほんブログ村