恋の時間ですよ 第11章 嫉妬

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大歓迎だよ、なんて言うんじゃなかった。

「いいのか? 俺一人でもやれるぞ」

隣で手際よく焼きそばを炒めるお兄ちゃんに言われ、私はお好み焼きをひっくり返しながら、盛り上がるテーブル席に視線を向ける。

「いいよ、みんなお腹空かせているし、お兄ちゃん一人じゃ大変だもん」

なんてのは建前だ。
ただ、あの輪の中に入れないだけ。だって、あそこに座っている人は、みんなバスケ仲間。そして話題を盛り上げているのは川本さん。

「準決勝の時、ユキさん足首痛めてたのにテーピング巻いて試合でてましたよね」

「よく知ってるな」

「だってファンですから」

「こいつ、言い出したら聞かねぇんだよ」

「最後の試合なんて、もう涙で見えないくらい泣きました。ユキさんのプレーする姿を見るのもこれが最後だと思ったら悲しくて」

「川本さん、そんなにユキのファンだったの?」

「そうですよ。だからこうして隣にいるのが嬉しくって。もう夢みたいです。そうだ、一緒に写真撮ってください」

ユキ君の腕に自分の腕を絡ませ、自撮りでツーショット。

「豚玉とイカ玉でーす」

二人の間に割り込んで、焼けたお好みをテーブルの鉄板へ乗せた。ユキ君と目が合い、私はにっこり微笑んで。

「トンちゃんダブルも、すぐお持ちします」

ついでに私の気持ちもね、と心で呟いた。

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