目を覚ますとユキ君は、まだ私のお腹を撫でてくれていて、ビックリ。
「ちょっとは、マシになったか?」
「うん、だいぶ良い」
ホント私って、世話の焼ける女だな。いつもユキ君に助けてもらってる。
「本当に、優しいよね」
「舞にだけ、な」
ユキ君は、体を起こすと乱れた自分の浴衣を直し。
「起きる?テレビでも見るか?何やってたっけ」
急に、余所余所しい態度。ベッドから出て行こうとするユキ君の浴衣の袖を引っ張った。
振り返ったユキ君は、ちょっと驚いた顔で。
「舞?」
抱きたいとか、襲うぞとか言うわりには、絶対、強引にしようとしない。私が初めてだから、気を遣ってるのかな。
怖くないって言ったら嘘になる。でもそれよりも、好きな人に愛されたいって気持ちの方が強いから。
ね、抱いて。なんて言葉で誘うのは、ちょっと無理。だから、自分から抱きついてキスをした。
精いっぱいの私のお誘いに彼は。
「ホント、お前には参る」
私を押し倒し、応えてくれた。