恋の時間ですよ 第7章 フェティシズム

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ユキ君のチームは大差で勝利、鷹羽さんがトロフィーを受け取り、チーム皆で記念撮影。私も観客席からバッチリ撮影しちゃった。

試合の後は打ち上げだと言う。

「舞ちゃんもおいでよ」

「でも部外者ですよ」

「大丈夫、大丈夫。俺も彼女連れていくし、家族連れで参加する奴もいるから」

「じゃあ、行こうかな」

突然、ユキ君にぐいっと腕を引っ張られた。

「鷹羽さん、俺らパスします」

えっ、えっ、私はともかくユキ君は行かなくていいの?

「じゃ、お先に。お疲れ様でした」

私の手を握って、スタスタ歩き出すユキ君について行くのは大変。だってコンパスの差が・・・・。

「ユキ君、どこ行くの?打ち上げ、行かなくていいの?」

「そんなの別にいいよ。今は舞と二人になりたい」

ドキッ、意味深な微笑みを浮かべている。まさか、この流れでホテルへ行こうなんて言い出さないよね。

立ち止まり、私を見下ろすユキ君。

「嬉し過ぎて、ほんとヤバい」

「ユキ君?」

「どこ行こうか」

「えっ」

「来週だよ。行きたい所とか、やりたいこととかある?」

行きたい所・・・。

「ユキ君と一緒ならどこでも」

本当にどこでも良かった。二人で過せるなら、どこでも。

「どこでも、か」

うーん、と悩むユキ君。

「車の中で一泊したっていいよ」

「車?すげぇ大胆な発言だな。初めてなのに、車でやりたいなんて」

「ちがっ、そうじゃなくて、二人ならどこへ行っても、どこで泊っても楽しいって言いたか・・・・」

季節は秋から冬へと変わり始めていた。冷たい風が吹く公園。足元で落葉がカサカサ舞っている。

だけど私は優しい温もりの中で、彼の心臓の音だけを聞いていた。

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