恋の時間ですよ 第3章 気になる存在

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「遅いよ、三島さん」

尖らせた唇、鮮やかな赤い口紅がとても印象的だった。

「ごめん、ごめん。あ、紹介しとく。彼女、今日入社した」

「尾上です、宜しくお願いします」

「総務の林です。宜しくね」

林さんはにっこり微笑み。

「今朝、同じエレベーターに乗っていたのよ」

「そうだったんですか。エレベーター人が多くて」

息苦しくて、人の顔を見る余裕も無かったもんな。

「ねえ、尾上さん」

林さんは未使用のスプーンを私に向けた。

「ユキ君との関係は?」

唐突な質問に私は目を丸くさせ、林さんを見つめる。

「か、関係?」

「付き合っているの?」

「いません。たまたま公園で声を掛けられただけで」

両掌を広げ、ぶんぶん振って否定。

「あ・・・」

何故か、二人の先輩が口をぽかんと開けたまま固まった。視線は私の顔より上にある。

「その話、俺も聞きたいな」

不服そうな声で囁かれ。

「なぁ、舞ちゃん」

私は心の中で悲鳴を上げた。

ギャーッ、でたーっ!

 

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