恋の時間ですよ 第2章 年下のくせに

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「これからミーティングなんだ。悪いけど、ここで」

あまりにもあっさり決まって、ちょっと不安になった。あとで不採用の連絡がきたりしないだろうか。

「あの・・・本当に来週から出勤していいんですか?」

「どうして」

「だってこんな簡単に」

「真理さんの紹介なら大丈夫だと判断したんだ。期待してるよ」

時計を気にして非常階段扉の方へ向かう土方部長。彼が角を曲り、その姿が見えなくなるのを待ってから、私はエレベーターホールへと向かった。

「そうだ、タクシー呼ばなきゃ」

手にしたスマホの画面を見るとトークマークがついている。

『終わったか?』

ユキと呼ばれていたイケメンからだ。

『はい、おかげさまで。無事に雇用してもらうことになりました』

返信トークをすれば、またすぐにトークが返される。

『トイレの前で待ってろ』

トイレ?さっき私が駆け込んだトイレのことか?首を傾げながらも踵を返した。トイレの前で壁にもたれてぼんやり待っていると。

「舞」

ドキッ。何で名前を知っているの?私は目を瞬かせた。口を開こうとした時、何かが飛んできた。キャッチして広げて見れば黒と赤のジャージの上着。

「これは?」

「貸してやる。羽織っとけよ」

もしかして破れたスカートを隠すために?

袖を通すとぶかぶかで、私のお尻もすっぽり隠してくれる。何回も折り曲げないと手もでないほど大きなジャージからは、ほのかに男の香りがしていた。

「ありがとう」

「けど、そのかっこうで電車乗るのも変だよな。やっぱ送ってやるわ」

「でも、仕事はいいんですか?」

「昼休憩だよ」

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