恋の時間ですよ 第6章 初めての

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「いやあ、まさか大阪市に向かうとは、思わなかったよ」

「本当に・・・」

私だって思ってなかったよ。

「たまにいるんですよね、寝ちゃって終電無くなってタクシーで帰る人。まあ、そんな人がいるお蔭で、僕らもメシ食えてるんですけど。はははは」

煩いよ、おっちゃん。黙って運転してくれっ。

深夜の高速道路はガラ空きで、あっと言う間に大阪市まで戻って来た。気になるのは料金。高速代もかかっちゃうんだよね?5千円以上は、半額って書いてあったけど、深夜割増し高くつくんだろうな。一万円くらい?ユキ君、ちゃんと起きて待っててくれないと・・・・大丈夫かな。

手元のスマホにLINEのトークが届いた。ユキ君からだ。

『起きてるか?』

もちろんだ。

『料金が気になって目が冴えてたよ』

『ドジ』

『煩いわっ』

『人に迷惑かけてるのに偉そうだな。もう寝ちまうぞ』

『ええっ、ごめんなさい、寝ないで。ユキ様!』

困っていた時に掛かってきたユキ君からの電話、天の助けとばかりに泣きついてしまった。近くで流しているタクシーを駅に呼んでくれて、お金まで貸してくれると言うのだから感謝せねば。

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