ウサギとヒナ 第七話 アプローチ

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 花と緑に囲まれた白い壁の珈琲店。オープンテラスではペット連れのお客さんが珈琲を飲んでいる。
 暖かくなったら、テラス席もいいかも。なんて思いつつ、店内に入れば、焼き立てパンと珈琲の香りが広がっていた。

 午前中は小さなパンのサービスもあって、店内は賑わっている。
 私はスタッフの差し出すかごの中からクルミパンを選んだ。
 ほんのり甘い生地にローストされたクルミが香ばしい。朝から得した気分でほくほく。

「会社はどう?」

 正人さんに聞かれ、私はパンを噛まずにゴクリと飲み込んだ。
 ちらり、ウサギさんを見て、小さくため息を漏らす。それから正人さんへ視線を戻した。

「色々、大変なんです」
「大変?」
「ウサギさんが、私のおじさんになったせいで」

 正人さんが前のめりになった。

「どういうこと?」

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