「裕也、許してあげなさいよ。裕也に彼女が出来て、正人もショックなのよ」
ワインを飲みながら、朱里さんが澄まし顔で言った。
「ショック?」
「自分のものだと思ってたのに、他の女に取られた。そう、これは嫉妬よ。間違いないわ」
「気色悪いこというな」
ウサギさんと正人さんは、二人して声を揃えて拒否。
「俺はただ、裕也が最近付き合い悪いから……」
「ほら、やっぱり。裕也に彼女が出来て、自分をかまってくれなくて寂しんでしょう。正人、私はずっと分かってたわ。あなたが、裕也を好きだってこと」
「俺が裕也を好き?」
正人さんは衝撃を受けたようにかたまっている。