ウサギさんがソース顔なら、正人さんは塩顔のイケメン。
美男美女、三人並ぶと圧を感じるな。
「よろしく、ヒナちゃん」
手を差し出され、握手する。細くて、ひんやりした手だった。
「それと、こっちは朱里。三階で部屋を借りて、色々教室やってる。けど、勧誘されても入らないように」
「なによ、その言い方」
「よろしくお願いします」
「ふーん、可愛いんじゃない? 俺のタイプじゃないけど」
私だってタイプじゃないですよ。と言い返したいところだが、我慢。
相手はウサギさんの幼馴染。これから長いお付き合いがあるかもしれないし。
「気をつけろよ、こいつは嘘つきで、タイプじゃないと言って安心させるのが手口なんだ。二人になるなよ」
そう言ってウサギさんは私の肩を抱き寄せた。