ウサギとヒナ 第三話 ウサギのしっぽ

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 店を出て、裏通りを少し歩くとビジネスホテルが見える。ホテルなんてどこでもよかった。
 どうせ、やっぱり無理と言って泣いて帰るにきまっている、そう思っていたから。
 ところがヒナは、おどおどしながらも部屋までついてきた。

 恋人でもない男に股を広げるような女だったのか。女は見た目じゃ分からないな。
 まあ、いいや。それなら俺も気を晴らさせてもらうよ。

 ヒナがシャワーを浴びている間に、冷蔵庫を開けた。
 水の入ったペットボトルが一本とグラスが二つ、入っている。一階にコンビニがあったことを思い出し、部屋を出た。

 赤ワインを一本買い、部屋に戻った俺は、ヒナがまだシャワーを浴びていることにほっとする。
 部屋に俺がいなければ、不安に思うかもしれない、レジで金を払いながら、そんな心配をしていたからだ。

 グラスにワインを注いだところで、バスローブをまとったヒナが出てきた。
 ただ突っ立っている彼女は、戸惑っているようにも見える。

「飲む?」

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