ウサギとヒナ 第三話 ウサギのしっぽ

小説
Pocket

 頬杖ついて、コンコンと爪で机を叩きながら「どこの誰だよ」と正人が追及の目を向ける。

「うちの会社の新人」
「新人? 社内の女には手を出さないって言ってなかったか? 弱みでも握られて、交際迫られたクチ?」
「まさか。むしろ、振られてもしつこく迫ったのは俺の方」
「振られた? 裕也が」

 声がひっくり返るほど驚くことか? 

「遠距離は無理だって、断られたんだよ」
「遠距離?」

 正人の顔が見る見る明るくなっていく。遠距離なら、浮気してもバレないとでも言いだしそうだな。

「週末は大阪に通うことにした。そんな訳でお前と遊んでいる暇はない」
「やめとけよ。遠距離なんて、続かないぞ」
「俺もそう思う。だから手は打っておいた」

小説更新、諸々のお知らせはtwitterで

PVアクセスランキング にほんブログ村