ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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 思わず、足をとめてしまった。
 なんとなく近寄れない空気を感じたから。
 このまま引き返そうか。離れたところから電話してみようか。迷っていると、ウサギさんと目が合ってしまった。

「ヒナ」

 爽やかな笑顔でウサギさんが私に駆け寄ってくる。その背後から敵意むき出しの視線。
 こわいんですけど……。

「遅かったな。忘れているのかと思った」
「すみません。バタバタして、お昼気づかなくて」
「初日だもんな。お腹空いたろ。何食べたい?」

 ううっ、視線が痛い……。

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