ウサギとヒナ 第一話 運命の糸

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 私がシールをつけている隣のラックから、ウサギさんが商品を何枚か抜き取って、通路に近いラックへ移動させる。
 それから通路に向かって立たせているボディの着せ替えを始めた。背が高いな、百八十はあるよね、きっと。
 私はウサギさんを目のはしで追いかけながらシールをペタペタ。

 それにしても昨日、準備した人は誰? ごっそり付け忘れているじゃない。
 ペタペタシールを張りつけていると、ウサギさんも私の隣に立ち、反対側からシールつけ。
 お尻のポケットに突っ込んでいるシートを取り出し、ペタペタ。

「ヒナちゃんは、新人?」
「はい」
「て、ことは二十二か三?」
「昨日、二十三になりました」
「誕生日だったの? おめでとう。それでもまだ二十三って、若いよなぁ」
「宇佐見さんは、いくつなんですか?」
「三十一。ヒナちゃんから見たらおじさんだろ」
「そんなこと、全然ないです」

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