「信じろって。なあ、泣くなよ。お前に泣かれると、どうしていいか分かんねぇんだって。舞、舞ちゃん」
ユキ君は私の肩に手を乗せ、下から顔をのぞき込もうとする。
「とりあえず、いっぺん会ってくれよ」
宥めるように言われ、私は激しく頭を振って拒否。
「どうしても、会わせるって言うなら舌かんで死ぬ」
「どうしても会わせる。もし、お前の言うような結果になったら、そん時は俺の舌を噛み切らせてやる」
顔を上げ、見るとユキ君の表情がすごく真剣で、ちょっと戸惑ってしまった。
「反対されるに決まってる」
「親がどう思うと関係ねぇよ。大事なのはお前だ」
「意味わかんない」
「今年に入ってから会う時間が極端に減ったろ。会いたいとか、声が聞きたいとか、抱きたいとか思っても、なかなか時間取れなくて。同棲の話をしても乗り気じゃねぇし、だから俺は約束が欲しいんだよ」
「約束?」